ジェイテクトは2017年5月23日、トルクの低減と耐摩耗性の向上を図ったホイール用テーパードローラーハブユニット(T-HUB)を開発したと発表した。従来品と比べてトルクが40%低減したとうたっている。
T-HUBはピックアップトラックやフルサイズSUVなど、比較的大型の車種向けのハブユニット。乗用車だけでなく大型の車両にまで燃費規制が拡大している近年の自動車業界において、大型車向けにトルク低減によって燃費を向上させるために開発された。
本製品の開発に当たり、軸受部の転がり抵抗を低減するため、同社のホイール用ボールハブユニット「B-HUB」用に開発した低粘度グリースを応用し、基油、増ちょう剤、添加剤を最適化したグリースを開発した。
またシール部には低トルクタイプのダブルアキシアルシールに加え、超低粘度基油を用いたシール専用グリースを採用することでシール性と低トルク性を両立させた。その結果、従来の低トルクT-HUBと比べてトルクが40%低減。車両の4輪すべてに用いることで自動車の燃費が0.5%向上するという。
また、軸受部グリースに低温環境に適した添加剤を配合し、かつ基油の低温性を向上させることで耐摩耗性能を向上させた。ロシアや北欧などの寒冷地で車両を列車輸送する際に発生する振動によるHUBの軌道面摩耗を従来比で40%低減したとしている。本製品は2019年5月より量産の予定だ。