村田製作所は2022年6月27日、高速応答性と高い測定精度を兼ね備えたコアレス電流センサ「MRDシリーズ」を開発し、量産開始したと発表した。
インバータやDC-DCコンバータの高効率化ニーズが高まる中、高効率で電力変換を制御するための高精度かつ高速測定が可能な電力センサの開発が求められている。
今回開発したMRDシリーズは、高感度TMR(Tunnel Magneto Resistance、トンネル磁気抵抗効果素子)および独自の補正処理を用いて、応答性の良いオープンループ方式を採用しながらも、高い測定精度を実現した。同社によると世界最高クラスの測定精度だという。また、コアレス型にしたことで小型低背化も実現した。
パッケージはSOICW16で、サイズは10.21(typ.)×10.31(typ.)×2.8(max.)mm。電源電圧は3.3Vもしくは5.0V。最大一次電流は40Armsで、総合精度が1.0%F.S.(使用温度範囲全域)、応答時間が0.5μs(typ.)、帯域幅は1MHz(変更可)だ。サーバー用電源タップ(PDU)や太陽光発電システムのコンディショナ(PCS)、無停電電源(UPS)、スマートメータ、EV向け充電ステーションなどへの応用を想定している。