日立金属は2017年10月13日、パワーモジュール用の高熱伝導窒化ケイ素(Si3N4)基板を開発したと発表した。2019年の量産を予定している。
パワーモジュールは、高い効率で電力の変換と制御を行うパワー半導体をパッケージングしたもので、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、鉄道車両、産業機器のモーターの制御部材として普及が進んでいる。パワーモジュールに用いられる絶縁基板は、絶縁性、高い熱伝導率、高い機械的特性が要求され、また次世代パワー半導体であるSiC半導体の採用の進展と共に、さらなる性能が求められている。
同社は今回、高い熱伝導率と機械的特性を両立した窒化ケイ素基板を開発。従来品と同等の曲げ強度700MPaを維持しつつ、熱伝導率を90W/m・Kから130W/m・Kへと向上させた。
同社は、同開発品を用いることで、パワーモジュールの冷却機構の小型化、低コスト化が期待できると共に、SiC半導体の採用による高温動作化にも対応できるとしている。