風力発電所向け新型落雷検出装置を開発――高精度、低コストで設置も容易に 中部大と中部電力

磁界センサ(上)と落雷検出部(下)

中部大学は2018年4月23日、中部電力と共同で風力発電所向けの新型落雷検出装置を開発したと発表した。

落雷の多い地域では、風力発電の風車に落雷が発生した場合、安全確保のために風車を自動停止させることが義務付けられている。このため風力発電所の風車には落雷検出装置を取り付けているが、一般的な落雷検出装置は近隣への落雷でも動作することが多く、風車の稼働率を低下させるという課題があった。また、高精度で検収可能なロゴスキーコイル型検出装置は、高価なために導入が難しいという現状があった。

今回共同開発した新型の落雷検出装置は、風車に3個の磁気センサーを装着することで、落雷によって発生する磁気の大きさと方向から、落雷のあった風車を正確に特定できる。誤検出が少なくなるために風車の稼働率の低下を防ぎ、経済性を高めることができる。2017年10月から2018年3月の間、実際の風車を用いたフィールドテストにおいて、8回中8回の割合で正しく動作することを確認したという。

また、ロゴスキーコイル型と比較しておよそ1/3から1/10のコストで設置できる。構造が単純なために設置も容易だ。洋上風力発電の点検の際にも、事前に点検対象の風車が特定できるために、点検時間が削減できるという。

同製品は2018年6月に昭電から発売される予定だ。

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