長尺カーボンナノチューブを利用し熱可塑性ふっ素樹脂(PCTEE)への導電性付与に成功

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「トーフロンPCTFE(帯電防止・導電性グレード)」(左)成形加工体 (右)成形加工体中のCNT分散状態

大陽日酸と東邦化成は2017年11月15日、両社の技術を持ち寄り、これまで機能性付与が困難だったふっ素樹脂に世界で初めて安定的な導電性と優れた耐薬品性、クリーン性を付与した高機能ふっ素樹脂「トーフロンPCTFE(帯電防止・導電性グレード)」を共同で開発したと発表した。2017年12月から加工品の受注対応を開始する。

カーボンブラックや炭素繊維などのカーボン材料を含む複合樹脂材料は、自動車部品など様々な分野での利用が期待されている。しかし帯電防止や熱伝導性の向上のため、カーボンブラックの場合5~30重量%の添加が必要となる。このため、成形体の加工不良や割れのほか、半導体分野ではカーボン材料の脱離等による異物混入、機械的特性や耐薬品性の低下などの懸念があった。

大陽日酸では、高アスペクト比、高純度、高結晶、高電気伝導性を備えた高配向多層カーボンナノチューブ(CNT)およびCNT分散液の製造を行っている。さらに各種樹脂材料に対して極めて低いCNT添加量を均一に分散させて安定的に導電性を付与する技術も有している。一方東邦化成ではふっ素樹脂全般の成形、加工を行っており、中でも成形が困難とされるPCTFE樹脂の取扱いに対して応用技術と経験を持つ。

今回この両社の技術を掛け合わせ、従来の帯電防止・導電性ふっ素樹脂で課題であった「高機械的特性」「高清浄度(クリーン度)」「高耐薬品性」を実現した材料および成形体の開発に成功した。

同製品は機能性(帯電防止・導電性)を付与した初めてのPCTFE樹脂となり、従来の導電性ふっ素樹脂よりも低い体積低効率(102Ωcm)を実現。部品設計に関わる機械的特性の劣化はなく、従来のPCTFEと変わらない耐薬品性を持つ。金属溶出は0.2ppb以下となっている。

2020年度50t/年を目標に、CNTとPCTFEの複合材である高機能ふっ素樹脂の生産と、半導体製造装置部品向け成形および加工の製造体制を整備。高洗浄度や高耐薬品性が求められる半導体製造装置関連や薬液供給関連などの分野向けに同製品を用いた帯電防止・導電性部品(加工品)の受注対応を、2017年12月から開始する。

関連リンク

プレスリリース

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る