- 2018-1-17
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- BAE Systems, Bill Crowther, Clyde Warsop, Fluidic Thrust Vectoring, MAGMA, Wing Circulate Control, マンチェスター大学, 小型無人機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)
英国BAE Systemsは、マンチェスター大学と共同で、航空機の姿勢制御を昇降蛇、方向舵、補助翼、フラップ(高揚力装置)などの操縦翼面と呼ばれる動く翼の代わりに空気流を使って行う技術を開発中で、その実験機「MAGMA」の試験飛行に成功したことを明らかにした。
MAGMAはジェット推進の小型無人機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)で、胴体とデルタ型の主翼を滑らかに接続した機体は、フラップを装備していない。MAGMAはフラップの代わりに、翼の後縁から超音速で空気を吹き出して機体を制御する「Wing Circulate Control」と、エンジンの排気に空気を当てて推進力の方向を変える「Fluidic Thrust Vectoring」という2つの技術により姿勢を制御している。
BAE Systemsによれば、新しい飛行制御技術により動翼を作動させる複雑な機械部品が不要になれば、機体重量や保守コストの面で有利になり、軽量、高速かつステルス性の高い航空機の製造が可能になるという。
BAE Systemsのエンジニアリング・フェロー、Clyde Warsop氏は、「マンチェスター大学と共同で開発した技術は、高機能で低価格の航空機の設計を可能にするものだ。我々の研究開発に対する投資は、英国が航空業界の最先端に位置することを保証し、未来の航空機を設計製造する能力を維持するものだ。」と述べている。また、マンチェスター大学のMAGMAプロジェクトリーダー Bill Crowther氏は、「この試験飛行は、どんな航空機に適用できるかを探るための大事なステップであり、実に画期的なものだ。」と述べている。
動翼の全くない航空機を目指し、次世代飛行制御技術の実証プロジェクトは今後も試験飛行を続ける予定だ。
関連リンク
Successful first flight trial completion of unmanned aerial vehicle, MAGMA.