日本精工(以下、NSK)は2018年1月10日、グループ会社のNSKマイクロプレシジョン(以下、ISC)が、精密なベアリングを搭載することで凸凹した面でも約8分間安定して回り続ける独楽(こま)を開発し、販売を開始すると発表した。
江戸時代に生まれた和独楽は、スムーズな回転のためこれまで多くの改善が施されてきた。現在では、機械の回転運動の摩擦を減らすベアリングを搭載した独楽も使用されている。今回ISCでは、精密なベアリングを搭載した「投げ独楽」を開発し、凹凸のある面での独楽の回転時間は通常2〜3分程度のところ、約8分という回転時間を実現した。
通常の独楽では、軸と本体が一体となって回転するため、接地している軸先端の摩擦により独楽全体の回転が止まってしまう。ベアリングを搭載した独楽は、軸と本体が別体で回転し、軸は回転せず本体だけが回転するため、回転を止める摩擦が本体まで伝わらない。そのため、これまで独楽を長時間回すことが難しかった凸凹面や手の上、指の上でも安定して回すことができる。
ISCは、主にNSKの各種ミニチュアボールベアリング(深溝・アンギュラ玉軸受)を専門に開発、生産し販売している。一方、「クールジャパン」の具体化のため、ヨーヨーや独楽のベアリング制作も手がけており、2017年には12分以上回転するハンドスピナー「サターンスピナー」を開発、販売している。
今回販売されるのは、ウェイトリングありモデルで、販売元は「ヨーヨーショップスピンギア」。価格は1万6800円(税込)。