東京大学や九州工業大学を中心とする研究グループは2018年4月24日、自律型海中ロボット「TUNA-SAND2」を開発し、清水沖の自然環境下で全自動による生物サンプリングに成功したと発表した。
これまでにも自律型海中ロボットを活用し、海底の写真撮影や音響調査が進められてきた。しかし、深海になると通信環境が悪化し、海底の生物や鉱物などを採取(サンプリング)できないという課題が残されていた。
同研究グループが開発した「TUNA-SAND2」は、捕獲対象としたい生物種の情報を事前に登録しておくと、搭載カメラで海底面の画像を撮影。捕獲対象の生物種が含まれると識別した複数の画像を、船上で待機する研究者へ音響通信を使って伝達する。研究者が捕獲したい対象を指定すると、TUNA-SAND2は画像を撮影した地点へ戻り、指定された生物を採取する。TUNA-SAND2は清水沖でこうした一連の過程を繰り返し、全自動サンプリングに成功したと報告されている。
同研究グループはTUNA-SAND2による全自動画像撮影と全自動サンプリングが成功したことから、今後は効率的に、資源の賦存量を高精度で調査できるようになるのではないかと見込んでいる。