日本電産は2018年6月5日、子会社の日本電産ASIが、電気自動車向けのウルトラファストチャージャー(UFC、超急速充電システム)を開発したと発表した。充電スタンドと国内配電網の間に設置する新システムで、世界最高クラスの充電速度で充電時間を短縮するだけでなく、配電網への負荷を低減する。
現在、都市部を中心として電気自動車が普及しつつあるが、地方を含めた本格的な普及には充電システムのインフラ整備が重要なポイントの1つとされている。
UFCは、既存の配電網と充電スタンド間の”緩衝機能”として作動する、最新式電力制御システムと160kWhの蓄電池を搭載。低・中圧の既存配電網と接続でき、320kWで車両へ充電しても電力網には僅か50kWの負荷しかかけず、配電網の6倍を超える電力を供給できる。15分以下で標準的な新世代電気自動車のバッテリーを80%まで充電し、500kmの走行を可能にする。
さらに、2台同時充電や1台ずつの3連続充電ができ、効率性は95%と充電時のロスは最小限に抑えられている。システムのサイズが2.48m3と小型なことも、電気自動車市場の拡大に好条件だ。
また、配電網だけでなく、太陽光などの再生エネルギー源からも電力を供給できる。他にも、電気自動車への充電だけでなく、電気自動車から配電網に電気を供給する(Vehicle-to-grid、略してV2G)といった双方向利用も可能だという。