大同特殊鋼は2018年6月26日、同社開発の耐熱チタン合金DAT54が、アメリカの航空宇宙用材料規格(AMS:AEROSPACE MATERIAL SPECIFICATION)に登録されたと発表した。日本で開発された耐熱チタン合金としては初めてだという。
AMSは航空宇宙分野で使用される多くの材料が登録されている材料規格で、発電プラントや石油、ガスなどの様々な分野において利用されている。
合金開発の進歩に伴って、耐熱チタン合金の耐用耐熱温度は上昇しており、現在の最高耐用温度は約600℃となっている。耐熱性を表す特性としては、「高温で負荷を与えたときに、低い応力でも徐々に変形する現象に対する耐性」である高温でのクリープ特性がある。大同特殊鋼は、成分組成と熱処理条件を最適化することで、クリープ特性や耐用耐熱温度が高く、最高クラスの耐熱性をもつ耐熱チタン合金DAT54の開発に成功した。
耐熱合金は主に、高温強度が要求される航空機エンジン内のコンプレッサーディスクやブレードなどの回転部材として使用されている。その多くは欧米を中心に開発されたものだった。DAT54は、航空機エンジンの高効率化を目的とした高温化や軽量化への対応が可能なことから、今後、航空機の燃費改善への貢献が期待されるという。