クレーターの「光条」形成の謎を解明――沖縄科学技術大、隕石衝突を実験で再現

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六角形の規則的なパターンが刻印された粉体面へのボール落下実験の高速写真映像。衝突部分の縁では王冠を彷彿とさせる放射状の噴出線がはっきりと見える

沖縄科学技術大学院大学は2018年6月21日、同大学の研究チームが、隕石などの衝突現象を実験により再現することで、惑星や衛星に見られる衝突クレーターの「光条」がどのように形成されるかを明らかにしたと発表した。

惑星や衛星の地表に隕石が衝突すると、クレーターが形成される。その衝突のエネルギーにより、地面が粉状の噴射物となって円すい状に上空に飛び散り、クレーターの周りに落下して、放射線状に伸びた「光条」と呼ばれる線がしばしば形成される。これまで、どのような時にこの光条が形成されるのかはわかっていなかった。

2012年に火星の表面に観測された新しい衝突クレーター

今回同研究グループでは、隕石などの衝突現象を実験により再現した。重金属製のボールを砂床に投下して砂を飛散させ、クレーターの周りに粉体層を形成する単純な実験を繰り返し行ったところ、当初は光条を形成できなかった。そこで、砂床の表面を均一にならすのをやめて、不均一な表面にボール落下実験を行ったところ、光条が形成された。

さらに、不均一な平面がなぜクレーター光条を形成するのかを理解するため、いくつもの六角形が規則的に刻印された砂床を用いて実験を行ったところ、衝突時にボールの端に触れた六角形と六角形の間の溝のすべてから光条が形成されたことが確認された。この実験を、ボールの大きさ、溝と溝の間の距離、ボールの落下高度、砂床の粒子などを変えながら繰り返した結果、光条の数を左右する変数は、ボールの大きさと溝と溝の間の距離だということが判明した。

この実験結果とあわせ、コンピュータによるシミュレーションも活用して、クレーター光条が形成されるメカニズムをより詳しく調べた。また、こうして得られた理論モデルを用いることで、衝突によって消えてしまった隕石そのものについても調べられるということが判明した。クレーター周囲に形成された光条の数を調べれば、衝突した隕石の直径を計算することが可能となる。

今回の研究成果により、光条があるクレーターであればほぼ例外なく、それらがどのように形成されたかを知ることができるという。同研究グループでは、太陽系形成論などの諸研究に役立つ可能性があるとしている。

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