- 2022-4-5
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- JFEスチール, Quenching & Partitioning プロセス, tkSE, ティッセン・クルップ・スチール・ヨーロッパ, ハイテン, 共同開発, 冷間加工, 電気自動車, 高張力鋼板
JFEスチールは2022年4月4日、ドイツのティッセン・クルップ・スチール・ヨーロッパ(tkSE)と共同で、冷間加工用の980~1180MPa級高張力鋼板(ハイテン)を新たに開発したと発表した。
自動車車両設計では軽量化と衝突安全性能の向上の両立が求められている。しかし軽量化のために鋼板の強度を高めると成形加工が困難になり、複雑な形状の部品へ適用しにくいという課題があった。
今回両社は、鋼の局部延性に焦点を当てた新しい鋼組成の設計と、高温から急冷後、再加熱するQuenching&Partitioningプロセスを活用した新たな熱処理方法を確立したことにより、同ハイテンを開発した。
従来品と比較して高い降伏強度と延性を持っており、特に局部延性に優れている。これらの特性を持つ同ハイテンは、自動車骨格の軽量化や衝突安全性能の向上に寄与するという。また、熱間プレス工法を用いずに冷間加工(プレス成形/ロールフォーミング)で難成形部品の製造ができるようになるため、生産性向上と製造コスト削減の両立が可能になるという。
同材は冷延、GA、GIでの提供を予定。電気自動車などの次世代車両への適用も視野に入れている。