UCLAなど、3Dプリンタを使って光の速度で認識するディープニューラルネットワークを作成

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カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームは、3Dプリンタと光の回折を利用したディープニューラルネットワークを開発した。医療技術、ロボット工学、セキュリティなどの分野でデータ、画像を高速に分類できる。研究成果は2018年7月26日の『Science』に公開されている。

手書きの文字を読み取るATMや画像検索エンジンなど、日常で利用する多くのシステムは、まずカメラや光センサーで “見て”、次にデータに変換して解析するというプロセスをとるが、今回研究チームは、物理的な層と光の回折を利用した「デフラクティブ・ディープニューラルネットワーク(D2NN)」を開発した。物体から来る光を利用し、コンピューターが物体をダイレクトに “見て”瞬時に解析するという。

「これは非常に複雑なガラスと鏡の迷路のようなものだ」と研究チームのOzcan教授は語る。「ネットワークに入った光は、迷路の中を出るまで跳ね返る。物体が何であるかは、大部分の光が出たところで決まる」

物体を分類する物理ネットワークの推論はすべて光学的だが、その設計につながる学習部分はコンピューターを介して行った。D2NNは複数の透過/反射層を含み、層上の各点は、複素数の透過/反射係数をもつニューロンとして振る舞う。各層の透過/反射係数は、ディープラーニングを用いて訓練され、D2NN設計が完了する。

その後、3Dプリンタを使用して、薄い8cm角のポリマー層を作成した。何万個もの人工ニューロンを持つ各層は、「光ネットワーク」として文字通り光の速度で機能する。物体からの光はネットワークを通り、最終的にどの検出器が検知したかで物体の分類ができる。実験では、光源にテラヘルツ光を使用。一般的な人工知能と同様、MNISTデータセットを利用して手書きの数字や衣類の画像識別テストを行い、正確に分類できることを示した。

「テラヘルツ光以外にも、可視光や赤外線などの波長の光を使うニューラルネットワークの作成もできるだろう」とOzcan教授。今後の可能性として、自動運転車が道路標識を認識したり、病理診断のために顕微鏡画像を分類したりと、画像とビデオのデータが不可欠なあらゆるアプリケーションで受動的に働く独自の光学部品や、新しいカメラデザインが可能になるとしている。

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