働き方改革が推進されて、日本人は仕事のオン/オフの切り分けをしっかりできるようになってきているのだろうか。
世界27カ国で1万9243人を対象に、調査会社のイプソスが休暇の過ごし方について調査した。調査項目は3つ。「休暇を自宅外で過ごすか」「有給をすべて消化するか」「休暇中を完全にオフラインで過ごしているか」だ。休暇をしっかり取れるようになった国がある一方、残念ながら日本は、どの項目でも平均を大きく下回る結果となった。
まず、1つ目の調査項目、「休暇を自宅外で過ごすか」。自宅から離れたところで休暇を1週間以上過ごすと答えた人は61%だった。
全世界で平均してみると2018年の結果は、前年と大きく変わらなかった。しかし国ごとにみると、トルコ(74%/+9ポイント)、中国(62%/+8ポイント)、スウェーデン(72%/+6ポイント)などでは自宅から離れて長期休暇を取る人が増加している。
一方、南アフリカ(57%/-12ポイント)、カナダ(56%/-7ポイント)、フランス(59%/-7ポイント)、スペイン(60%/-5ポイント)では前年より悪化している。
日本は、調査対象の27カ国の中で最低の24%。前年から横ばいだった。
次に「有給をすべて消化するか」については、どうだったろうか。全体でみると65%が有給をすべて消化すると回答。こちらも全体の傾向は前年と変わらなかった。
有給消化が改善した国としては、オーストラリア(53%/+7ポイント)、フランス(66%/+5ポイント)、インド(72%/+5ポイント)、サウジアラビア(81%/+5ポイント)などが挙げられる。
対して、悪化した国はスペイン(71%/-9ポイント)、ベルギー(78%/-7ポイント)、ハンガリー(69%/-7ポイント)、韓国(54%/-6ポイント)だった。
日本はというと、「有給をすべて消化する」と回答したのは34%。前年から1ポイント悪化し、この項目でも27カ国中最低を記録した。
最近の仕事のオン/オフに大きな影響を与えるのは、インターネットの利用ではないだろうか。仕事で使う分には便利なのだが、休暇中にもついつい仕事に関係するメールなどをチェックしている人も多いだろう。
今回の調査で、休暇中に仕事関連のメール等をチェックしない(オフラインにする)と回答したのは全体の47%だった。
前年の調査から1ポイント増だった。若干ではあるが、休暇中はオフラインで過ごす傾向にあるのかもしれない。
前年よりオフラインにする人が増えた国は中国(44%/+7ポイント)、スウェーデン(58%/+7ポイント)、ペルー(49%/+6ポイント)、インド(54%/+5ポイント)などだった。
逆にポーランド(50%/-7ポイント)、ハンガリー(47%/-6ポイント)、ベルギー(47%/-6ポイント)などでは、休暇中にもオンラインで仕事に関わっている人が増えたようだ。
気になる日本は、前年より1ポイント改善して32%。この項目では日本は最下位から2番目で、代わりに最下位となったのは30%のセルビアだった。
こうした結果を見る限り、世界の他の国と比べて日本人は休暇の過ごし方が下手だと言えそうだ。今一度、ご自身の休暇の過ごし方を見つめて、日本の常識を疑い、休暇をしっかり取って体を労わってみてはどうだろうか。