粘弾性流体の流れは波状の表面付近でどう変わるか、OISTが実証

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提供:Micro/Bio/Nanofluids Unit

沖縄科学技術大学院大学(OIST)は2018年11月9日、粘弾性流体が起伏のある波状の表面をどのように流れるかを実証したと発表した。

油や水のようなニュートン流体の場合、波状の表面などに接触すると、均一だった流れは崩れ始めてらせん状の渦を描くようになる。この渦は表面近くで最も顕著になり、そこからある程度予測できる地点で消滅することが分かっていた。

一方、粘弾性流体に関しては、同様の実験はなされていない。ただし、最近発表された理論的研究によって、粘弾性流体においてもニュートン流体と同様に波状の表面上で渦流が発生するものの、「ニュートン流体の渦は表面から離れるほど減衰するが、粘弾性流体の渦は特定の離れた距離のところで増幅される」という決定的な違いがあると示唆されていた。

OISTの研究チームは今回、粘弾性流体にトレーサー粒子を混ぜることで、流体の流れを捉えようと試みた。それぞれ異なる時間に画像を取ることで、時間の経過とともに移動する粒子を確認。渦が増幅される領域となる「臨界層」の位置は、流体の弾性に依存することを確認した。粘弾性流体中の鎖のような分子(高分子)が多いほど弾性が増し、弾性が高いほど臨界層の位置は波状の表面から遠ざかったという。

さらに、流体の弾性が一定以上に高くなって臨界層が遠ざかり過ぎると、波状の表面付近の渦流は臨界層による増幅効果を受けなくなることも確認できた。

同研究チームは、流れの幅を拡張したり、波状の表面を形作る山と谷の間隔を長くしたり、流体の流速を変えたりすることで、臨界層の変化を観察。詳細な相図も作成した。

波状の表面における粘弾性流体の流れについての研究結果を要約した相図。
流れのパターンは、流体の弾性(縦軸)と表面の波長に対する流路の深さ(横軸)に依存する。
図の右下は、弾性と流路の深さが最適なバランスなため、「臨界層」で渦度の増幅につながったもの。
提供:Micro/Bio/Nanofluids Unit

今回の成果を踏まえて、今後は臨界層の要素を計算式などに組み込むことによって、適応性の改善や粘弾性流体の新たな可能性を将来の研究に役立てることができると説明している。

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