東北大学は2018年12月13日、中島田鉄工所と共同で開発した超小型衛星用の膜展開式軌道離脱装置「DOM」を装備した超小型人工衛星2機を、現在計画中のイプシロンロケット4号機に搭載して2019年1月17日に打ち上げると発表した。
近年、世界中で超小型人工衛星の開発が盛んに行われており、今後も地球周回軌道へ投入される超小型人工衛星の数は増加の一途を辿ることが予測されている。それに伴い、運用を終了した人工衛星のスペースデブリ化を阻止し、軌道から速やかに除去する技術が求められている。
DOMは軌道上で膜を展開することで宇宙空間に存在するわずかな大気抵抗を利用して衛星を減速させ、地球周回軌道から離脱させる装置だ。小型軽量化と衛星システムとの機械的/電気的インターフェイスの簡易化を追求している。
今回、東北大学が中心となって開発した超小型人工衛星「RISESAT(ライズサット)」とALEが開発した超小型人工衛星「ALE-1」にそれぞれ「DOM2500」が搭載される。RISESATではミッション終了後の軌道離脱手段として採用され、ALE-1ではメインミッションを実施する高度約400kmに早期に軌道降下させる手段として採用された。
後者は、相乗り条件としてやむなく高い軌道高度へ投入される衛星を、目的とする低い軌道高度へ降下させるための装置としてDOMの技術を応用し開発したものであり、DOMが軌道離脱手段としてだけではなく、軌道高度を調整できる装置としても期待されていることを示しているという。