- 2019-2-13
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- Journal of Electrostatics, ニューヨーク州立大学バッファロー校, 摩擦帯電型ナノ発電機(TENGs), 静電気
乾燥した冬の寒い日にドアを触ってばちっと感じたり、髪の毛が風船や下敷きにくっつくのを見たりといった経験は誰にでもあるだろう。静電気は古くから知られているが、実はその本質は未だにはっきりと理解できていない。
ニューヨーク州立大学バッファロー校の研究チームは、摩擦によって発生する静電気は、接触時に物質表面で起こる微小な構造変化によるものだと発表した。将来、静電気を利用して電子機器を身につけたまま充電できる可能性を示唆するもので、研究成果は2018年12月の『Journal of Electrostatics』に掲載されている。
研究チームは、静電気を利用した摩擦帯電型ナノ発電機(TENGs)に取り組んでいる。今回、摩擦帯電時に2つの物質の接触面がどのように反応するかシミュレーションした結果、接触面での物質の格子変形が電荷移動に影響しているということがわかった。この数値結果は、これまで発表されてきた実験結果とも一致する。
今回の発見は、サスティナブルでより長持ちする小型の電子機器向けバッテリーの製造へつながる可能性がある。「従来型の電源へのニーズを減らすことで、経済の安定を促進し、社会に貢献できるだろう」と、研究チームは期待を込めている。
スマートフォンの画面をスワイプする、スマートウォッチを手首につける、さらには靴を履いて地面を歩くなど、毎日の何気ない動作で発生する静電気を使って、電子機器を充電できる日が来るかもしれない。