飴でできた食べられる再帰性反射材を開発――料理の上や消化管の内壁に載せても無害なマーカーの実現へ 群馬大学

群馬大学は2019年2月27日、飴でできた食べられる再帰性反射材を開発したと発表した。同大学では、これまで寒天を素材とする食べられる光学素子を開発していたが、より硬く保存性の高い飴を用いて再帰性反射材を形成することに成功した。

再帰性反射材は、道路の標識や自転車の反射材として利用されている光学素子で、画像処理用のマーカー(目印)としても頻繁に用いられている。再帰性反射材を食べられる素材のみから形成することで、料理の上や消化管の内壁に載せても無害なマーカーが実現できる。

従来材料として利用してきた寒天は、その主成分が水分であるため、一度空気中に出してしまうと乾燥により比較的短時間で機能を失ってしまうという欠点があった。またゼリー状で柔らかく、複数を組み合わせて構造を作ることが難しいため、例えば複数の寒天製再帰性反射材を異なる方向に配置して再帰反射可能な方向を広げるといった高機能化が難しい素材だった。

飴は溶ける温度が170度前後と比較的高い上に粘度が高く、さらに加熱しすぎるとキャラメル化して色がついてしまうという性質から、再帰性反射材に必要な透明性を保ちながら微細な形状を高精度に形成することが難しい素材だったが、今回、還元イソマルツロースという糖と水を原料にシリコンを型として用いた製法で、透明かつ高精度に微細な形状を形成することに成功した。

今後は、料理への動的なプロジェクションマッピングや、市販の光学式モーションキャプチャシステム用のマーカーとしての利用など、応用の幅がさらに広がることが期待できるという。同大学は今回の成果を、2019年3月6日から8日まで学術総合センター/一橋大学一橋講堂で開催される「インタラクション2019」において、3月6日に発表予定だ。

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