- 2019-5-16
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- PFC(Power Factor Correction), アクティブパワーデカップリング(APD)方式, インバータ, コンデンサ, ダイヤモンド電機, パワーエレクトロニクス設計技術, 制御技術, 窒化ガリウム(GaN)パワー半導体, 電解コンデンサ, 電解コンデンサレス技術
ダイヤモンド電機は2019年5月15日、インバータに必須のコンデンサの静電容量を7%にまで低減する電解コンデンサレス技術を開発したと発表した。
省エネ機器には一般的に、電解コンデンサを用いるインバータや、高調波電流の抑制や力率改善を行うPFC(Power Factor Correction)が利用されている。しかし、この電解コンデンサは部品寿命が短いという欠点があり、機器の寿命を制限する要因となっていた。
そこで、ダイヤモンド電機は今回、独自の制御技術とパワーエレクトロニクス設計技術により、電解コンデンサレス技術を開発。インバータやPFCに必要な静電容量を約7%まで低減することに成功した。これによって、セラミックコンデンサやフィルムコンデンサの使用が可能となり、電解コンデンサ使用時に対して約15%の体積低減が見込めるという。
またこの技術では、アクティブパワーデカップリング(APD)方式を採用している。一般的なAPD方式での電解コンデンサレスの実現には、インバータやPFCの変更が必要となる。しかし今回、ダイヤモンド電機は独自の制御を開発し、それらを変更せずに電解コンデンサレス技術を採用することが可能となった。これにより、既存システムをそのまま使用しながら電解コンデンサレスを実現できるという。次世代素子である窒化ガリウム(GaN)パワー半導体を使用することで、システムの効率化も可能だ。
今回開発の技術により、インバータの長寿命化/高温対応化/薄型化が可能になるという。そして、電気自動車(EV)用充電器、パワーコンディショナ、蓄電システムといった省エネルギー機器の普及に貢献できるとしている。