従来の10%程度の圧力で冷間鍛造を行う「切削鍛造加工法」を発明――精密鍛造の第3の基本工法に 岐阜大学

切削鍛造加工法における材料流動イメージ

岐阜大学は2019年5月15日、精密鍛造において工具の圧力が従来の10%程度で加工できる「切削鍛造加工法」を発明し、特許申請したと発表した。切削鍛造加工法は、精密鍛造の基本工法である「据込み」と「押出し」に続く、第3の基本工法になりうるという。

金属加工において、常温でプレス機などの工具を用い材料を圧縮成形する精密鍛造(冷間鍛造)は、自動車や機械などの精密部品の製造に広く用いられている。しかし、切削加工に比べて精密鍛造では、大寸法/複雑形状の部品やハイテン(高張力鋼)など硬い素材の加工は困難だった。

そこで、研究グループは今回、切削加工で発生する連続切りくずの生成原理を応用。切り除かれた材料を製品形状の一部として生かす、新しい加工法を発明した。

切削鍛造加工法の加工イメージ(①→②→③とカップの底部が上方向に移動する)

切削鍛造加工法では、従来は加工が困難な大きさ/形状/硬度の部品も加工できるようになる。カップ形状の底部の位置を強度を弱めずに自由に変えるといった、従来はできなかった加工も可能。ハイテンなどの硬い素材も加工できる上、金型寿命も伸びるという。

切削鍛造加工法特有の鍛流線

研究グループは、この工法により、従来は鋳造や熱間/温間鍛造、溶接で加工されていた部品が精密鍛造に代替される可能性があると説明。それにより、コスト低下や強度アップにもつながるとしている。

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