キログラムの基準が130年振りに変更――キログラム原器からプランク定数ベースに

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5月20日は、1875年にメートル条約が締結されたことを記念して定められた国際計量記念日だが、2019年の5月20日は特別な日として技術者・研究者の記憶に残ることになるだろう。この日、1889年以来およそ130年間にわたって質量の基準となっていた「国際キログラム原器(IPK)」が廃止され、物理定数のひとつである「プランク定数」に基づく定義に変更された。

国際単位系(SI)の中で、キログラムだけが人工物によって定められる単位として残っていた。しかし、基準となる国際キログラム原器の質量は、表面吸着や酸化などによってマイクログラム単位で重量が変動していることが問題視され、2018年11月に開催された第26回国際度量衡総会で、キログラム原器も廃止されることとなった。

1960年の第11回国際度量衡総会において、メートルの定義を「メートル原器」から光の速さに改定したことが、MEMSなどの微細加工を行うマイクロマシニングの発展に寄与した。今回のキログラムの定義の改定も、微小な質量を扱うナノテクノロジーなどの分野に貢献することが期待されている。

これにより、国際単位計(SI)の全ての計量単位が「原器」から解放され、日本でも、産業技術総合研究所が保管するキログラム原器はその役割を終える。1960年に一足先に引退したメートル原器は、日本の度量衡制度近代化の礎を築いたものとして重要文化財に指定されている。

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The International System of Units – making measurements fundamentally better

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