金属有機構造体を用いたリチウムイオン電池用電極を開発――他材料の受託測定、受託合成事業も開始 GSアライアンス

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GSアライアンスは2019年9月5日、金属有機構造体(Metal Organic Framework、MOF)、別名「多孔性配位高分子(Porous Coordination Polymers、PCP)」という超多孔性物質を用いたリチウムイオン電池用の電極を開発したと発表した。

現代社会においてリチウムイオン電池は代表的な蓄電池であり、電気自動車、ハイブリッドカー、スマートフォンなど、さまざまな製品に用いられている。しかし、今後の電気自動車などのさらなる高効率化やスマートグリッド社会の実現などのために、電池容量のさらなる向上が求められている。リチウムイオン電池の構成材料の中でも正極や負極などの電極材料は電池の性能を左右する非常に大きな要因であり、世界中の企業や大学などの研究機関で活発に研究開発が行われている。現在のところ、電極材料は酸化物系、炭素系の材料が多い状況となっている。

今回、同社は亜鉛系のMOFを用い、このMOFをベースにした電極を用いた。MOFとは、金属カチオンとそれを架橋する多座配位子によって構成される新物質で、構成される金属と有機配位子をチューニングすることで、細孔の形状や大きさ、分子官能基を分子レベルで精密調整できる超多孔性材料だ。分子設計に配位結合を精密に取り入れられるため、細孔構造や比表面積、形態などをナノメートルレベルで人為的に設計でき、複雑な構造体の構築や高次機能の発現が可能となる。さらに従来の多孔性材料よりも軽量で、より高い表面積を有する。理論上は金属カチオンと有機物の多座配位子の組み合わせの数のMOFができることから、既に2万種類以上のMOFの種類が報告されている。

同社は、このMOFベースの電極を用いることにより、現在では約100mAh/gの電池容量を50サイクル以上安定に示し始めたという。これは同社において、新たな分野の電極材料を産業的に検討できるようになったことを意味し、今後は研究開発を継続して、さらなる電池容量の向上に努めるとしている。

また同社は既に、酸化物系正極などを合成して少量販売を始めており、今後は受託測定、受託合成も開始する。顧客の要望に応じてそれらの材料の材料特性、電気化学特性なども含め提供する。具体的には充放電曲線、サイクリックボルタンメトリー、交流インピーダンス測定、X線回折測定、蛍光X線による元素分析、粒子径サイズ測定など、さまざまな実験データを受託測定/提供する。また小型のコインセル、フラットセル、ラミネートセルであれば、提供する体制もあるとしている。

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