再生可能エネルギーの発電能力を安定化させる、エネルギー貯蔵技術「EarthStore」

地熱発電とエネルギー貯蔵技術を持つ米Sage Geosystemsは、2023年9月12日、同社のエネルギー貯蔵システム「EarthStore」について、本格的な商業パイロットの実証データを発表した。

EarthStoreの原理は、地下の流体から得られる圧力エネルギーに地層の熱を合わせた、機械的エネルギーの貯蔵技術だ。ペルトンタービンを駆動し、蓄電容量は18時間以上を達成して、電力を24時間365日で平準化させる、「ベースロード電源」の役割を持つ。

今回の実証では、同技術が新規の井戸、既存の油田とガス井戸で、地理的な制限を受けずに展開できることが確認できた。同技術は、深さ3~6kmで比較的低い温度100~250℃の井戸を、ターゲットとしている。

また、本技術のエネルギー貯蔵方式は、リチウムイオン電池貯蔵や従来の揚水発電よりも低いコストで、電力を供給できることも示した。さらに、電力需要のピークを想定した、高出力で短時間の電力供給(負荷追従)の性能を実証した。

今回のデータは、200kWを18時間以上、1MWを30分間発電する能力を記録した。測定された地下システムの効率は88~94%、往復効率(RTE)の推定値は70~75%、流体損失は2%未満だ。1つの坑井で、2~3MWの正味出力を生成する能力を実証したかたちだ。

同社の強化地熱システム(EGS)地熱井設計で使用する、同社独自の超臨界CO2タービンの出力は、地熱発電で現在使用中の従来型を上回っている。同社は、坑内流体から熱だけでなく圧力も回収しているため、システム全体の効率が大幅に向上したと説明している。

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PRESS RELEASE: Sage Geosystems’ Landmark Full-scale Commercial Pilot – Sage Geosystems™

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