これまでで「最も黒い」物質――入射光の99.995%を吸収するカーボンナノチューブを開発

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Image: Diemut Strebe

アルミニウム上に成長させたカーボンナノチューブ(CNT)の研究から、これまで作られたスーパーブラック材料よりも10倍黒い材料が生まれた。MITの航空学および宇宙航法学のBrian Wardle教授らによるもので、研究内容は2019年9月12日付け『ACS Applied Materials and Interfaces』誌で発表されている。

この内容は、本来の研究目的の副次的な成果物だという。研究チームは、CNTの電気的および熱的特性を高める研究に取り組んでいる。アルミ箔を塩水に浸すことで酸化物層を除去した上で、無酸素環境において化学蒸着を行いCNTを成長させた。アルミの酸化物層を除去することで、他の手法よりはるかに低い、摂氏約100度という温度で、アルミニウム上にCNTを成長させることに成功、材料の熱的および電気的特性を大幅に向上させることを見出した。

ところが、CNTが成長した後の材料が非常に暗く見えたため、サンプルの光反射率を測定したところ、入射光の少なくとも99.995%を吸収していたことが分かった。驚くべきことに、これは従来のスーパーブラック材料の10分の1の光しか反射していないということだ。

このメカニズムは解明されていないが、エッチングされたアルミニウムと、CNTの組み合わせに関係があると考えられている。黒くエッチングされたアルミ上に成長したCNTの森が、入射光を閉じ込めて熱に変換し、ほとんど光として反射しないため黒く見えるというものだ。

Wardle氏は、「私たちの研究グループは、材料の光学的性質にフォーカスすることはないが、この研究はアートとサイエンスのコラボレーションとして進めることになった」と語る。

さらに、この新素材は航空宇宙領域でも関心を集めているという。例えば系外惑星探査に用いられる、迷光から宇宙望遠鏡を保護する巨大な黒いスターシェードに使用される可能性も検討されている。

関連リンク

MIT engineers develop “blackest black” material to date

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