2種類のゼオライトナノ粒子の製造技術を確立――透明吸湿性包材の実現や温感化粧品などへの応用が可能に

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科学技術振興機構(JST)は2019年10月17日、研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)企業主導フェーズNexTEP-Aタイプの開発課題「ゼオライトナノ粒子の製造方法と粒径制御技術」の開発結果を、成功と認定したと発表した。この開発課題は、東京大学の脇原徹准教授らの研究成果を基に、中村超硬に委託し同社の機能材料事業部にて企業化開発を進めていたものだ。

結晶構造に由来した微細な空孔を持つアルミノ珪酸塩鉱物のゼオライトは、触媒機能やイオン交換機能、消臭機能、吸着機能など特異な機能を持つ。そのため、環境対応や安全性がより厳しく問われる社会状況において、小型化や省スペース化、機能の向上だけでなく、感性や感覚などの高機能化に関わる多種多様な産業の需要を満たす解決方法の1つとして、ナノ粒子化が期待されている。

これまでもゼオライトのナノサイズ化は取り組まれていたが、粒径の制御、ナノサイズ粒径の状態でゼオライトの結晶性や機能を満たすことは困難だった。さらに、生産効率の低さなどから品質の不安定さや製造コストが課題となっており、これらの解決が望まれていた。

一般にゼオライト粒子の合成には、高温高圧の熱水存在下で行われる「水熱合成法」が用いられるが、今回の開発では100ナノメートル以下の小径ゼオライトナノ粒子を製造する「粉砕・再結晶化法」と、150~300ナノメートルの大径ゼオライトナノ粒子を製造する「粒成長法」の2つの手法を使い分けることにより、ゼオライトナノ粒子の安定的な合成に成功した。

これによりゼオライトナノ粒子の製造コストは従来比で約10分の1になったという。すでに梱包材や化粧品、衛生用品などの分野で需要者の評価を進めており、今後の事業展開が期待できるとしている。

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