リグニン誘導体からアクリル樹脂の開発に成功――非可食性バイオマスを原料に用いたプラスチック開発に期待 理研

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理化学研究所は2019年10月17日、木材の主要成分であるリグニンの分解生成物として知られているリグニン誘導体を原料にして、これまで石油からしか作ることのできなかったアクリル樹脂を開発することに成功したと発表した。今回の研究成果が、化石燃料などの枯渇性資源からの脱却、持続可能な社会の実現に向けた環境調和型プラスチック生産システムの開発に大きく貢献することが期待できるという。

今回研究チームは、有機酸触媒を用いたグループトランスファー重合法(GTP)により、リグニン誘導体として知られる桂皮酸エステルなどβ位に芳香族置換基を持つα,β-不飽和カルボン酸エステル(アクリルモノマー)を重合すると、これまで合成が困難とされていた炭素-炭素二重結合部位のみで重合が進行した単独重合体が得られることを明らかにした。この重合体は、既存のアクリル樹脂であるポリメタクリル酸メチル(PMMA)と同じポリマー主鎖骨格を持ち、ポリマー主鎖のエチレン炭素に直接芳香族性置換基が結合した新しいアクリル樹脂だ。

今後は得られた重合体の主鎖構造に直接結合する芳香環により、従来のアクリル樹脂とは異なる特徴的な物性の発現が期待できるという。また同手法を用いることで、バイオ生産が可能な同様の化学構造を持つアクリルモノマーや、食糧問題と競合しない非可食性バイオマスから誘導される同様の化学構造を持つアクリルモノマーを原料とした、新たな機能性アクリル樹脂の製造が可能になるとしている。

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