廃棄物だった魚の皮とウロコで、サスティナブルな生分解性バイオプラスチック「MarinaTex」を開発

英サセックス大学の学生が、魚の皮とウロコ、海藻を使って生分解性バイオプラスチック「MarinaTex」を開発、ジェームズダイソン財団が主催する「JAMES DYSON AWARD 2019」の国際最優秀賞を受賞した。MarinaTexは、通常のポリ袋よりも丈夫なうえ、使用後は家庭用コンポストで処理できる。

製品設計を学んでいたLucy Hughes氏は、水産加工場で発生する大量の廃棄物に心を痛め、そこに付加価値をつけることで再利用する道を探していた。一方、分解されないまま海中に漂う海洋プラスチックは、2050年には重量で魚を上回るという統計も発表されている。Hughes氏は、この2つの問題を解決するべく、廃棄物を利用した生分解プラスチックの開発に取り組んだ。

原料となったのは、廃棄された魚の皮とウロコだ。そこには柔軟性と強度のもととなるタンパク質が含まれている。さらに海藻の一種、紅藻をバインダーとすることで、半透明のフィルム、MarinaTexが完成した。同じ厚みのLDPE(低密度ポリエチレン)よりも引っ張り強度が強く、持続可能性という付加価値が品質の犠牲になっていないことを示していた。

さらに、MarinaTexは製造や廃棄に特別な施設を必要としない。有害な化学物質を排出することなく、家庭用コンポストで4~6週間で分解される。

Hughes氏によれば、1匹のタラからMarinaTex袋が1400枚も作れるという。今後も研究を重ね、食品用の使い捨てパッケージをはじめ、様々な場面でプラスチックの代替品となることを目指すとしている。

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