液滴を微細化して正確にコントロールする技術――より高精細な3Dプリンティングが可能に

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プリンストン大学は、液体を噴射して正確なサイズの液滴を作成する方法を開発したと発表した。3Dプリンティングの精度向上につながる技術であり、素材である液滴を精密に制御して、3D空間内に配置することができる。この研究成果は、2019年10月28日に『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に掲載された。

3Dプリンティングでも従来の製造工程でも、使用する材料を調整するためには液滴の状態で制御している。ただ、今回の噴射を伴う手法の優れている点は、より微細な液滴を発生させることができるため、従来技術よりも高い柔軟性と精度を提供できることだ。

液滴は、表面張力によってその表面積が最小(すなわち球状)になるように変形しようとする。このような力に逆らって液体を効率的に微粒化することはそれほど容易ではない。固体材料であれば破砕して微粒化すればよいが、液体を微粒化するためには、いったん棒状や薄膜状に変形させた上で、流体力学的な不安定性を利用して、微粒化する必要がある。

今回の手法は、液体に関する「プラトー・レイリー不安定性」と呼ばれる性質を利用したものだ。液体を棒状に噴射すると、表面張力によって先にいくほど分裂して液滴となるという性質で、インクジェットプリンターもこれを利用している。液滴を希薄なジェットで噴射し、コントロールすることで、最終的な液滴のサイズ、形状と分散、パターンを設定することができる。

発表された論文において研究グループは、コントロールされたグリセリンの液滴を液体ポリマーに注入、設計通りに3次元的に配置することに成功、製造プロセスへの適用可能性を実証した。今回は実験にグリセリンを用いたが、製造や研究で一般的に使用される多様な物質を用いてもうまく機能するとしている。

この手法はスケーラブルで、さまざまな製造方法に対して最適化できるよう調整可能だ。液滴を棒状、あるいは正弦波的に噴射できるよう制御可能であり、幅広い形状の製造に対応可能だ。さまざまな形状やサイズを作るために、設計者が機械を絶えず調整および微調整する必要もない。計算によって液滴の分散を制御するため、プロジェクトの要件に適するように簡単に変更できる。

この技術は、生物医学の足場材、音響材料、バイオリアクターの作成、標準的な3D製造などに利用できるという。

プリンストン大の化学生物工学科助教であり、研究主任のPierre-Thomas Brun氏は、「重要なのは、コンピュータに何かを描けば、それを作成できるというシンプルさだ」と述べ、この手法が幅広い用途に利用できるという可能性に言及している。

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