「囚人のジレンマ」を再検証――他人に協力する態度が人々を引き寄せリーダーシップにつながることが判明

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CREDIT: Zhihai Rong, Zhi-Xi Wu, Xiang Li, Petter Holme and Guanrong Chen

集団の中には、他人に協力的な者(協力者)と非協力的な者(離反者)が存在するものだが、中国の電子科技大学のZhihai Rong教授を中心とする研究チームが発表したゲーム理論についての研究結果によれば、協力者の態度はより多くのフォロワーを引き寄せ、その結果、リーダーになる傾向があるということが判明した。

ゲーム理論は、論理的な意思決定行動や社会構造の背後にある科学を理解するために数学を適用した研究分野だ。ゲーム理論は、なぜ人々は不利な状況においても協力するのかという疑問に答えられると考えられている。

有名な「囚人のジレンマ」もゲーム理論の1つで、意思決定分析における社会的ジレンマの研究に使われている。相手の選択結果により自分の利益に違いが出るという状況下で、2人の囚人がそれぞれ黙秘か自白を選ぶ際に遭遇するジレンマのことだ。

研究チームは、この古典的なゲーム理論を再検証するため、集団の社会的ネットワークをマッピングできるアルゴリズムを開発し、人々がどのように協力するか、その中からどのようにリーダーが生まれるかについて相関分析などを用いて考察した。

彼らの研究によれば、協力者はより多くのフォロワーを引き付けることができ、リーダーになる可能性がより高く、協力者と離反者との間には異なる学習パターンが存在していることが判明した。

このゲームでは、協力者が「協力する」という戦略により多くの時間を費やせば費やすほど、周りの人がその態度を手本にするようになり、協力者が集団の中でリーダーになる傾向が高まる。社会学的に見ると、個人は社会の中で出世するために他人が成功につなげた言動に合わせていく。「こうすることで、彼らの間で長期的な相互関係を構築することができる」とRong教授は語る。

この研究を発展させれば、我々の身の回りで流行が広がっていく過程の理解にも役立つかもしれないという。研究結果は、米国物理学協会(AIP)発行の学術誌『Chaos』に2019年10月8日付で掲載されている。

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Prisoner’s Dilemma Game Reveals Cooperation Leads to Leadership

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