MIT、流体力学の実験を効率的に自動化するロボットを開発

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Image: Dixia Fan and Lily Keyes/MIT Sea Grant

MITを中心とした共同研究チームは、流体力学の実験に関し、実験結果をもとに次の実験を計画して実行できるロボット「Intelligent Towing Tank(ITT)」を開発した。この研究成果は、2019年11月4日付け『Science Robotics』誌に掲載されている。

流体の相互作用に関する物理は大変複雑だが、その1つに渦励起振動(VIV)がある。VIVの複雑な特性を調べるための実験では、独立したパラメータの数が多いため、体系的な検証が困難だ。例えば10次元のパラメトリック空間であれば、パラメータごとに10回の測定を単純に繰り返すと、合計100億回の実験が必要になるが、これは明らかに実行不可能だ。

ITTは、タンクとロボット、コンピューターで構成されており、アクティブ・ラーニングにより知能を与えられ、VIVを研究するための一連の実験を自動的に実施できる。次の各実験の選択はコンピューターによって効率的に行われるため、必要な実験は数桁削減することができるという。

MITの研究室で、典型的な博士課程学生は5年間で1000件の実験を行っているが、ITTは、2週間でこれに相当するだけの実験を完了しているという。2018年の運用開始から約10万件の実験を行っており、この1年でITTが完了した実験の総数は、VIVというテーマで世界中の研究室が現在までに行ったすべての実験に匹敵するという。

この研究は、実験的研究を行う際の潜在的なパラダイムシフト――コンピューター(人工知能(AI)技術の進歩)、ロボット(研究室の自動化の使用の増加)、そして人間が、科学的発見を加速するためにリアルタイムで協力できる――を実証したといえる。従来のアプローチでは不可能だった、非常に大きなパラメトリック空間を迅速かつ効果的に探索できる可能性がある。

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A robotic Intelligent Towing Tank for learning complex fluid-structure dynamics

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