H2LとNTTドコモは2020年1月10日、自分の顔に他者の口の動きと顔の表情をリアルタイムに再現する「Face Sharing」を共同開発したと発表した。
Face Sharingを活用すれば、他者に代わって自分が会話をすることや、他者の口の動かし方を実際に体験でき、遠隔からサポートを受けながら外国語での会話や専門的な知識が必要な会話などを行うことができるという。
Face Sharingは、頬に装着したデバイスから口周りの筋肉に電気刺激を与えて収縮させ、 他者の口の動きや人工知能(AI)が指定する口の動きを再現する技術だ。複数のデバイスを用いれば、一人の口の動きを複数人に同時に再現できるという。
具体的には、プレゼンテーションの上手な人の口の動かし方や間の取り方を体感したり、プロの歌手の口の動かし方を学ぶこともできるという。口を動かす練習用プログラムを組んだAIを使って、口の動きを習得したり、アニメーションキャラクターや動物の口の動き、顔の表情を体感することも可能である。
さらに、他者の顔の3D映像を自分に投影して顔の表情を再現し、スピーカーを使用して他者の音声を再生し、声も再現できるという。将来的には、口の動かし方の伝達が難しい外国語の発音や演技などを、直接口を動かして伝えることを目指すようだ。
今後、Face Sharingと高速/大容量/低遅延/多数接続の特徴をもつ5Gと組み合わせて、遠く離れた場所でも他者の口の動きや顔の表情をリアルタイムに再現することや、より多くの人数で同時に同一の体験を共有することが期待される。