安価な酸化銅を触媒にして廃棄グリセロールからDHAと水素を生産――東工大と台湾国立科学技術大学

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東京工業大学物質理工学院 准教授の林智広氏らは2020年1月15日、台湾国立科学技術大学との国際共同研究により、廃棄グリセロールから付加価値の高いジヒドロキシアセトン(DHA)と水素を選択的に生成する技術の開発に成功したと発表した。安価な触媒である酸化銅(CuO)を用いた電気化学的反応により達成したという。

研究グループは、東工大のラマン分光技術と台湾科技大の触媒反応技術を組み合わせ、触媒表面の化学反応メカニズムを解明。最適な反応条件を見つけ出した。

バイオディーゼル燃料(BDF)製造時には、原料の10%程度のグリセロール(グリセリン)が副産物として生成される。しかし、有効な応用用途がなかったため、付加価値が高い物質への転換方法を探し、金、白金などの貴金属を物質転換の触媒に用いていたことから、安価な触媒を求めていた。

研究では、地球上に豊富に存在し、安価な材料であるCuOを触媒に用い、バイオディーゼル製造の際の廃棄物であるグリセリンから、化粧品、甘味料などに使用されるDHAと水素を選択的に製造する技術を確立した。ラマン分光を用いて、CuO触媒表面の化学反応をその場観察することで、反応メカニズムの解明、反応選択性を最大化するための反応条件の最適化の2つを達成している。

この研究によって生まれた廃棄物の資源化、水素の産生という2つの異なる成果により、持続可能な社会の構築へ向けた貢献が期待される。今後は国際共同研究により、さらなる新触媒の開発、反応効率の向上という2つの観点からの実用化を目指す。また、機械学習などの情報科学的手法との融合によって、最小限の実験で最適な物質変換条件を導出する技術の開発も進めている。

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