世界最高感度の柔軟な音響センサーを開発――皮膚に貼り付け心音を長期連続計測 東大

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

東京大学工学部は2020年3月19日、皮膚に直接貼り付けることで、心音を長期連続計測できる音響センサーを開発したと発表した。同センサーは、柔軟性のあるセンサーとしては世界最高感度を備えるという。

低周波領域での高感度化は、これまでにポリフッ化ビニリデン(PVDF)のナノファイバーと穴がある基板を組み合わせた構造や、非常に微細な穴を空けた紙を基板に用いたポーラス構造などがある。また、ゴム基板でPVDFのシートを挟んだ構造を用い、皮膚に貼り付けて心拍を計測できるセンサーが報告されていた。しかし、低周波領域にて高感度で長期的に計測できるような微小な心音の信号を測定する柔らかい音響センサーはなかった。

今回の研究では、電界紡糸法によって形成したナノファイバーシートを積層し、非常に柔らかいナノメッシュ音響センサーを開発した。ナノメッシュセンサーは、2層の電極シートで圧電材料のPVDFのナノファイバーシートを挟むことで形成されている。ナノファイバー構造を用いることで、500Hz以下の低周波数領域で世界最高感度となる10000mV Pa−1を超える感度と柔らかさを実現した。これは、非常に柔らかいナノファイバー構造のPVDF層が上下に動くことで、電極シートとPVDF層が接触し、信号が発生するためだという。

開発した柔らかい音響センサー

この音響センサーは、3層の非常に柔らかいナノファイバーを集積しているため、通気性があり、皮膚に直に接触させても炎症反応が起きないという。長期的に皮膚に貼り付けられるため、日常生活の中でだけでなく、運動の最中にも使用可能だ。皮膚に密着するため、安定して10時間連続で心音を計測できる。今後、心音を運動中や日常生活の中でモニタリングすることで、病気や体調不良を早期に発見できるウェアラブルデバイスへの応用が期待される。

関連リンク

プレスリリース

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る