無機有機ハイブリッド材料の新たな構造を発見――半導体照明でのより効率的な青色発光を可能にするか

米フロリダ州立大学(FSU)は、2020年4月24日、効率的な技術の可能性を示す無機有機ハイブリッド材料の新しい構造を発見したと発表した。研究成果は、2020年4月24付で『Science Advances』誌に掲載されている。

同大学の研究グループが発見したのは、金属ハロゲン化物ペロブスカイトの中空ナノ構造。金属ハロゲン化物ペロブスカイトは、発光ダイオード、レーザーなどの光子関連技術で大きな可能性を示す材料で、科学者たちはその効率と効果を高める努力を重ねている。

FSUのBiwu Ma教授は「新世代のカラーディスプレイや半導体照明(SSL)などは、赤、緑、青の三原色の発光材料とデバイスを必要とする。ペロブスカイトについては、緑色と赤色に関して効率的な発光を達成するためさまざまな方法が明らかにされているが、青色を効率的かつ安定的に発光させるのは容易ではない」と話す。

Ma教授の研究グループは、2014年からオプトエレクトロニクスとエネルギー応用のために金属ハロゲン化物ペロブスカイトやペロブスカイト関連材料の開発研究に取り組んでいる。この研究では、研究者らはセシウム鉛臭化物のナノ結晶から作られた金属ハロゲン化物ペロブスカイトで構造を作り上げた。

この材料で作られた従来のナノ構造体は、ナノプレートレット、ナノワイヤー、量子ドットなどいずれも正の曲率を持つが、Ma教授らは負の曲率を持つ中空構造の金属ハロゲン化物ペロブスカイトを初めて作り上げた。これにより青色を効率的に発光することが可能だとしている。

Ma教授は「この研究は、青色を極めて効率的に発光する薄膜を作製する容易な技法を提供するものだ」と話し、「我々の研究は、注目すべきユニークな特性を持つ他のナノ構造を探求するきっかけになるものと信じている」とコメントしている。

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