5μm画素で可視光から非可視光帯域まで撮像可能な産業機器向け短波長赤外イメージセンサーを商品化へ ソニー

SWIRイメージセンサー「IMX990」(左:セラミックLGAパッケージ、右:電子冷却素子内蔵セラミックPGAパッケージ)

ソニーは2020年5月12日、5μm画素で可視光から非可視光帯域まで撮像可能な産業機器向けSWIR(短波長赤外)イメージセンサー「IMX990」「IMX991」を商品化すると発表した。IMX900は1/2型(対角8.2mm)、有効134万画素で、IMX901は1/4型(対角4.1mm)、有効約34万画素となっている。

両センサーは、InGaAs層で形成したフォトダイオードと読み出し回路を形成したSi層をCu-Cu接続することで画素ピッチが縮小されており、画素サイズが5μmに抑えられている。従来技術ではInGaAs層とSi層の接合にバンプが用いられていたため、バンプピッチの確保が必要となり微細化への障壁となっていた。

また、独自のSWIRイメージセンサー技術「SenSWIR(センスワイヤ)」を採用し、可視光を吸収してしまう表面のInP層を薄膜化することで、その下のInGaAs層まで可視光を透過させ、可視帯域における量子効率を高めた。波長が0.4μmから1.7μmまでの広帯域における撮像が可能となり、従来は可視光用とSWIR用でそれぞれ必要であったカメラを1台で賄うことが可能となった。

さらに、従来のSWIRイメージセンサーはアナログ出力が一般的であるのに対し、両センサーはデジタル出力に対応しており、現行の産業機器向けCMOSイメージセンサーと同等の機能性を実現し、デジタル変換回路や産業機器向け機能の実装を別途行う必要を省いている。

IMX900は、電子冷却素子内蔵セラミックPGAパッケージのサンプル出荷が2020年7月、サンプル価格が90万円(税抜)で、セラミックLGAパッケージのサンプル出荷が2020年6月、サンプル価格が80万円(税抜)となっている。またIMX901は、電子冷却素子内蔵セラミックPGAパッケージのサンプル出荷が2020年7月、サンプル価格が50万円(税抜)で、セラミックLGAパッケージのサンプル出荷が2020年6月、サンプル価格が40万円(税抜)となった。

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