旅客機の座席に設置してソーシャルディスタンスを実現するキット「PlanBay」が、航空関係エンジニアリング会社であるEarthBayによって提案された。
新型コロナウイルスの発生により、世界中で航空交通を利用する旅客数は2カ月で90%減少した。現代の航空機は、乗客全体への感染を防ぐ効率的な空調システムを備えているが、保健当局は乗客間には1mの距離を取ることを推奨している。ただし、中央部の座席を空けるだけでは、この距離の実現は難しい。
PlanBayは、不使用の中央座席に設置する着脱可能なキットで、伝染病の集団発生時など、一時的に設置、使用できる。
具体的には、まず、座席背面の上に保護パネルを設置して、列と列の間の高さを増やす。横方向にも保護パネルを設置することで、パネルが置かれた中央座席を挟んで隣り合う座席間の防御壁とする。他の座席への通路は残す形状だ。
ただし、制限もあり、非常口の位置には設置できない。また、リクライニングもできなくなるため、側面に設けられたヘッドレストを使うことになる。
このキットは製造が容易で、低コストでできる上、素早く簡単に設置と取り外しができる。客室乗務員による座席の状態の目視も妨げず、既存のシートに変更を加える必要もないという。