4000℃以上に耐えるセラミック耐熱材料を開発――航空宇宙分野での活用が期待

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ロシアの国立科学技術大学(NUST-MISIS)の研究チームが、現在知られている中で最も高い融点を持つセラミック耐熱材料を開発した。ハフニウム‐炭素‐窒素の三元系粉末を燃焼合成法によって作成し、放電プラズマ焼結によって固化製造したもので、融点は4000℃以上に達する。表面温度が2000℃を超え、極限では4000℃に達する宇宙往還機のウイング先端部など、航空宇宙分野に幅広い活用が期待されるもので、研究成果が『Ceramics International』誌の2020年7月号に公開されている。

2020年5月末に民間で初めて国際宇宙ステーションに飛行士を送り込むことに成功したスペースX社の第1段ロケットは、逆噴射により再び地球上に着陸回収されて再利用することができる。日本のJAXAも今年度から、ドイツとフランスと共同で同様の再使用型ロケットの研究開発に着手することを発表している。将来的には、特別な打ち上げ設備を必要とせず、航空機と同じように自力で滑走し離着陸および大気圏脱出再突入を行うことができる宇宙往還機も出現すると考えられている。これにより人員や貨物を周回軌道に運ぶコストを抜本的に下げることができ、宇宙空間への飛行を頻繁に実施できるようになる。

宇宙往還機が大気圏から脱出または再突入する際、そのウイング表面温度は2000℃を超え、最先端部は4000℃に達するとされ、極限的な高温にも耐える新しい耐熱材料の開発が不可欠だ。そこで研究チームは、4000℃以上の融点と優れた機械的性質を持つ材料を創製するために、ハフニウム‐炭素‐窒素の三元系Hf-C-Nセラミックの製造にチャレンジした。

Hf-C-N系は、米ブラウン大学の研究者が、高い熱伝導性と耐酸化性、および既存の化合物中で最高の融点(約4200℃)を持つと予測している材料だ。研究チームは、1960年代にロシアでロケット固体燃料の研究において発見された、反応が自発的に伝播進行する燃焼合成法を採用し、HfC0.5N0.35粉末を得ることに成功した。これを放電プラズマ焼結法により固化した結果、理論密度の98%の密度と4000℃を超える融点を示すことを確認した。さらに超高温セラミックとして知られるZrB2/SiCやHfB2/SiC/TaSi2よりも高い、硬度21.3GPaと破壊靱性4.7MPam1/2を有することが明らかになった。

研究チームは、「材料の融点は、4000℃を超えると測定が難しくなる。今回は既知のチャンピオン材料の融点と相対比較することで4000℃以上だと確認したが、レーザーや電気抵抗を用いた高温測定によって、正確な融点を決定する予定だ。また、航空宇宙分野における広汎な展開を目的として、超音速条件における材料特性についても研究する」と、説明している。

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