アパタイト型ランタンシリケート系固体電解質を用いた固体酸化物型燃料電池を開発 GSアライアンスら

GSアライアンスは2020年9月15日、兵庫県立大学および兵庫県立工業技術センターと共同で、アパタイト型ランタンシリケート系固体電解質を用いた固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)を開発したと発表した。

アルミニウムやマグネシウムを添加したアパタイト型構造のランタンシリケート系固体電解質は、高いイオン伝導度を有しており、SOFC向けの電解質として有力な候補となっている。

GSアライアンスは、以前よりSOFC用途向けの電極、固体電解質などを自社で合成し、少量での事業展開を行っている。今回、兵庫県立大学および兵庫県立工業技術センターが中心となり、GSアライアンスのアパタイト型ランタンシリケート系固体電解質を含めた電極や固体電解質を用いてSOFCを開発した。

同研究においては、主な固体電解質としてマグネシウムを添加したLa9.8(Si5.7Mg0.3)O26.4(MDLS)を採用し、組成の異なるランタンシリケート系物質のLa2SiO5を組み合わせた。これにより、イオン伝導度のさらなる向上と固体電解質膜の緻密化に成功している。

また、Gd(ガドリニウム)を添加した二酸化セリウム(Ce0.9Gd0.1)O1.95(GDC)を中間層として採用し、熱処理時の固体電解質とカソードの反応を抑え、電池抵抗の上昇を抑制した。カソードには(La,Sr)(Co,Fe)O3が用いられており、スピンコート法やスクリーン印刷法といった簡便で安価になり得る印刷手法を採用している。

同研究チームは今後、ランタンシリケート系の固体電解質層のイオン伝導度をさらに向上させるべく、イオン伝導経路の方向の最適化などを検討する。

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