殺菌効果のある深紫外線を発するLED積層の金属ホイルを開発

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米オハイオ州立大学の研究チームが、紫外線スペクトルにおいて最も波長が短い深紫外線を発生するLEDを金属ホイル上に形成した。軽量で柔軟な金属ホイル上に、LEDを積層したという。深紫外線には殺菌効果があり、この金属ホイルは携帯が容易なため、僻地での水浄化や医療器具の殺菌に使える可能性がある。

波長200~350nmの深紫外線は、DNAやRNAなどを破壊する殺菌作用を持つことから、殺菌消毒、病原体の検出、高密度光情報記録、光リソグラフィー、樹脂の硬化処理まで、幅広い用途に用いられている。

オハイオ州立大学材料科学工学科のMyers准教授は「現在、深紫外光を発生させる場合、水銀ランプを使わざるを得ない」というが、ランプでは重過ぎて気軽に持ち歩けないという問題があった。

Myers准教授は続けて「水銀は毒性があるし、ランプは大型で電気効率が悪い。一方、LEDは非常に効率的だ。もし、安全で持ち運び可能な安い深紫外線用LEDを作れるなら、その意味は大きい」と語る。

深紫外線用LEDはこれまでも実験室レベルでは作られてきた。だが、実験室レベルの深紫外線用LEDは全て、基板として極めて高純度で完全な単結晶半導体を用いている。そこが産業化を考えるときに、コスト面で大きな問題になっていた。

そこで、研究チームは分子線エピタキシー法(MBE)を使用。チタンやタンタルの金属ホイルの基板上に、ナノスケールのワイヤ状窒化アルミニウム/ガリウム(AlGaN)をカーペットのように密に堆積させた。

MBEでは、蒸発した原子状の物質が基板表面に堆積し、薄い積層やナノ構造へと自己組織化する。そして基板として金属ホイルを利用することで、より軽く、安価で、環境に優しい深紫外線用LEDの大量生産が可能になると見込んでいる。

ワイヤ状の窒化アルミニウム/ガリウムは、個々の長さが約200nmで、直径が20~50nmだ。人間の髪の毛よりも数千倍も細く、肉眼では視認できない。研究チームは今回、この金属ホイルの基板上に成長したナノワイヤ状AlGaNが発生する深紫外線の強さが、もっと高価で柔軟性のない単結晶シリコンの上に成長させたものとほぼ同等であることも突き止めた。

研究チームは、このようなナノワイヤLEDでもっと強い深紫外線を発生させる研究を実施中だ。このナノワイヤを鋼やアルミニウムのような、もっと一般的な金属ホイルの上に積層させることも考えている。

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