京セラは2017年1月26日、直流放電を用いた独自の薄膜形成技術と表面加工技術を組み合わせることで、摩擦係数を約30%低減したアモルファスシリコン(a-Si)感光ドラム「LFシリーズ」を発表した。また、同日よりLFシリーズの受注を開始した。
LFシリーズは、2011年に発売されたa-Si感光ドラム「MSシリーズ」をベースに改良を重ねた直径30~40mm×長さ360mmの製品だ。ドラム表面にサブミクロンサイズ(1万分の1mm)の微細凹凸形状を形成することで、周辺デバイスとの摩擦を約30%低減するのに成功している。
そのため、約100万枚の印刷まで摩擦を低いレベルで維持し、周辺デバイスや印刷機の長寿命化に貢献できる。印刷品質についても、印刷枚数約100万枚まで長期間にわたり維持できるという。
高画質で印刷するためには、トナーの粒子形状は「色が均一に広がるように真球に近い球形であること」が理想とされている。だが、トナークリーニングが難しいため、形状をあえて崩したトナーを使用するのが一般的だ。
一方、ドラム表面に微細凹凸形状を施したLFシリーズでは、クリーニングブレードとの摩擦も低減され、トナークリーニングが容易になる。それに伴い、真球に近いトナー粒子の使用が可能になるため、印刷の高画質化にも貢献できる。