TDKは2017年2月14日、ハプティクス向け「PiezoHaptアクチュエータ」を発表した。ハプティクスとは、力や振動などの皮膚感覚フィードバックで情報を伝達するテクノロジーのこと。開発技術は世界最薄クラスの厚み(約0.35mm)のハプティクス用アクチュエータとして、例えばバーチャル・リアリティ(VR)など、振動による触覚フィードバックを必要とする分野での活用が期待できる。
PiezoHaptアクチュエータは、積層圧電素子と振動板からなるユニモルフ構造の振動ユニットだ。同製品の積層圧電素子は、同じ厚みの単板タイプの素子よりも大きな変位を生成できる。そのため、一般的に圧電式のハプティクス技術には高電圧が必要となるが、PiezoHaptアクチュエータは、24V以下の低電圧でも振動の感覚を皮膚に伝えられる。
同製品は、圧電の特性から瞬時に反応でき、およそ0.004秒で立ち上がる。また、偏心モータなどと比べて短時間の通電で動作できるため、消費電力量が低い。さらに、偏心モータを使用する場合、振幅は設計で決まるが、PiezoHaptアクチュエータは、パルス制御により振幅の大きさ、間隔を自由に変化させられるので、多彩な振動パターンを細やかに表現することが可能だ。
振動板寸法は80×60×0.25mmで、素子寸法は30×30×0.1mm。使用温度範囲は-10〜60℃。サンプル価格は3000円/個で、サンプル出荷の開始は2017年3月の予定だ。