タッチスクリーンが折り曲げられるように? ブリティッシュコロンビア大、折りたためるタッチセンサを開発

開発された、柔軟なタッチセンサ

カナダのブリティッシュコロンビア大学(UBC)の研究チームが、折り曲げたり、伸び縮みさせても機能する透明なタッチセンサを開発した。このセンサは電気伝導性の高いゲルをシリコン層にサンドイッチした構造で、曲げた状態でもスワイプやタップといった操作を正しく検出できるという。研究成果は、3月15日のScience Advances誌にオンライン公開されている。

研究チームは、伸縮性とイオン伝導性を備えたポリアクリルアミドを電極とし、シリコン層で挟み込んだ5×5cmのアレイ型プロトタイプを作成した。ポリアクリルアミドに発生する静電容量の変化を通じて指のタッチを検出できる。このセンサ・アレイは、スワイプやタップのほか、数cm離れた指の動きも検出できるという。将来的にスマートフォン程度の大きさまで折りたたんで使えるタブレットも実現可能になるかもしれない。

研究チームの電気・コンピュータ工学科PhD院生Mirza Saquib Sarwar氏は、「圧力や指の接近を検出できるセンサはあるし、透明で折りたためるものもある。このデバイスの画期的なところは、全てをコンパクトなパッケージに組み込んだことだ」と語る。

このセンサは、ゲルとシリコンという汎用的な材料で作ることができ、安価かつ容易にスケールアップできる。「例えば部屋ほどの大きさのパネルを、1平方メートル数ドルのコストで作ることができ、壁や床などすべて透明で伸縮可能なタッチにすることができる」と、Sarwar氏。

また、ロボットの人工皮膚に応用することで、人間とロボットの接触を安全にすることができる、と研究を指導する応用科学部のJohn Madden教授は付け加える。「もしロボットが人間の存在を検出し、人を傷つける恐れがないほど柔軟な人工皮膚を備えていれば、壊すことなく物体を掴んだり、周囲の環境にうまく適合できるだろう」と、Madden教授は将来的な活用を展望する。

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New flexible sensor holds potential for foldable touch screens

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