米核融合施設、「核融合点火」に向けて大きく前進したと発表

Credit: John Jett, LLNL.

米ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)は、2021年8月8日に国立点火施設(NIF)で行われた実験で核融合点火に向けた大きな前進があり、1.3メガジュールのエネルギーを発生させることに成功したと発表した。

実験では、サッカー場3面相当のサイズのレーザー装置群をからのレーザーを、髪の毛の直径ほどのターゲットに照射し、1京(10の16乗)ワットを超える核融合エネルギーを100兆分の1秒間生成することに成功した。これにより、LLNLは、研究はNIFの重要な目標である核融合点火の限界に到達したとしている。

点火を達成するには、核融合で放出されたエネルギー(核融合出力)がレーザーよって供給されたエネルギー(加熱入力)を超える必要があるが、1.3メガジュールは加熱入力の70%ほどだという。このため、この実験結果は核融合に点火したとは見なされないが、点火を達成するための重要なステップだといえる。

慣性核融合プログラムの主席研究員であるOmar Hurricane氏は海外メディアに対し、「この結果は、核融合には何が必要なのかという理解に向けた、極めて大きな前進だ。私にとっては、まさに『ライト兄弟の瞬間』といえる。実用的ではないが、短時間だが飛行することができた」と語っている。

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National Ignition Facility experiment puts researchers at threshold of fusion ignition

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