大阪府立大と室蘭工大、共同開発した超小型衛星「ひろがり」の打ち上げ予定を発表――学生中心に開発した人工衛星が宇宙へ

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大阪府立大学と室蘭工業大学は2021年1月29日、超小型衛星「ひろがり」がNASAのワロップス飛行施設から国際宇宙ステーションに向けて2月21日に打ち上げられることを発表した。

超小型衛星「ひろがり」は、大阪府立大学小型宇宙機システム研究センターと室蘭工業大学航空宇宙機システム研究センターとの共同開発プロジェクト。Cubesat規格で「2U」に相当するサイズ10×10×20cm、重量2.4kgの超小型衛星だ。両大学の学生らが中心となって2016年から開発、2020年10月に機体開発が完了。実機はすでにJAXAに引き渡されている。

ひろがりのミッションは2つあり、1つは室蘭工業大学が担当する「ミウラ折り板構造の展開、形状計測」、もう1つは大阪府立大学が担当する「アマチュア無線帯での高速データ通信」だ。

「ミウラ折り 」は東京大学名誉教授の三浦公亮氏が考案した折り紙の技法で、対角線の部分を引っ張ることで全体が縦横に同期展開するという特徴がある。ミウラ折りは厚みを無視できる2Dの紙を対象にした折り方だが、今回のミッションでは、厚みのある実際の平板に応用した二次元展開板構造の収納、展開構造の宇宙における実証が狙いだ。将来的に、太陽電池パネルなどの構造物の収納、展開方法への応用が期待される技術だ。

二次元展開板には二次元格子が描画されており、2台のカメラで撮影することで格子模様のゆがみを解析、展開板の三次元形状を計測するという光学的な表面形状計測手法を用いる。

もうひとつのミッションであるアマチュア無線帯での高速データ通信について、従来のアマチュア無線衛星は UHF、VHF で それぞれ1200bps、9600bpsの通信速度が利用されてきたという。ひろがりでは、より高速な 13600bps GMSK、19200bps 4FSK を採用し、その実証を行う。さらに、静止衛星ではないひろがりとの限られた通信機会を最大限活用すべく、通信エラーの訂正機能を持たせたプロトコルの検証も行う。

また、アマチュア無線家向けにメッセージボックスサービスを提供する予定で、ひろがりに対するメッセージのアップリンク、ダウンリンクが可能だ。なお、アマチュア無線家ではない人がひろがりを使った通信ができる機会として、衛星を使って世界中に発信したいメッセージも一般募集している。

超小型衛星ひろがりは、2021年2月21日にNASAのワロップス飛行施設から国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられ、2021年春頃からおよそ4カ月間ミッションを行う予定となっている。

大阪府立大学 学生団体SYSTEMによる、超小型衛星「ひろがり」
の開発から打ち上げまで一連の流れを解説したアニメーション

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プレスリリース
ひろがり Project

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