超高強度鋼板を自動車のエネルギー吸収部品に適用できる構造を開発――樹脂を活用したマルチマテリアル構造 JFEスチールとイイダ産業

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JFEスチールとイイダ産業は2021年3月2日、樹脂を活用して自動車のエネルギー吸収部品に超高強度鋼板を適用できる構造を開発したと発表した。

近年、衝突安全性能と軽量化を両立できる超高強度鋼板を、センターピラーやルーフサイドレールなどの構造骨格部品に適用する事例が増加している。一方で、フロントサイドメンバーやリアサイドメンバーなどに同鋼板を用いると、衝突時の部品座屈や曲げ変形時に部品母材が破断してしまうことから、衝突エネルギーを必要分吸収できないため、軽量化が難しい点が課題となっていた。

JFEスチールは今回、超高強度鋼板を用いた部品本体と薄肉鋼板製の部品により、イイダ産業の高延性/高密着性樹脂をサンドイッチした構造を開発した(冒頭の画像)。エネルギー吸収部品が車両衝突時に座屈/曲げ変形する際の変形部の曲げRが拡大したことで、超高強度鋼板部品が破断しなくなっており、エネルギー吸収性能が向上した。

今回開発した構造をマルチマテリアル化したところ、部品重量1.24kgで引張強度1470MPa、厚み1.4mmの部品は、同重量で引張強度590MPa、厚み2.0mmの従来部品と比較して53%エネルギー吸収性能が向上した。エネルギー吸収性能が同等の場合は、25%の軽量化が可能となっている。

電気自動車はエンジンを搭載していないことから、フロントエンドやリアエンドが短くなるため、効果的なエネルギー吸収が求められる。また、エンジンから生ずる振動がなく、乗員が走行時の振動に敏感になるため、従来以上に振動を低減する必要がある。今回開発した構造は、振動を吸収しやすい樹脂のおかげで、走行時に発生する振動を大幅に低減できるため、高い衝突安全性と軽量化を両立しながら、快適な乗り心地を提供できる。今後は電気自動車への搭載に向けて自動車メーカーとの共同開発を進める。

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