MITと米海軍、GPSなしで北極海の氷の下を正確にナビゲートする手法を開発

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Credit: Troy Barnhart, Chief Petty Officer, U.S. Navy

MITのエンジニアと海軍士官のチームは、北極海の氷の下を調査するため、GPSを使わずに自律型無人潜水艇(AUV)を正確にナビゲートする方法を開発し、実証試験を行った。

北極海の氷は地球温暖化の影響で年々薄くなり、氷の下では「Beaufort Lens(ボーフォートレンズ)」と呼ばれる、太平洋からベーリング海峡を通って北極圏に流入する暖かい水の層が水生環境に変化をもたらしている。北極海の環境の変化が地球規模の気候変動に果たす役割を理解するためには、異なる場所、深度、時間での水温、塩度、海流を正確に知る必要がある。

Beaufort Lensは、2013年にウッズホール海洋研究所によって初めて観察された現象で、深さ70~80mで中性浮力があり、北極海での音の伝搬に大きな影響を与えている。北極圏の水中をうまく航海するためには、音の伝播の変化を正確に理解する必要がある。

氷の下を進むAUVは、通信はできるがGPSが使えず位置が分からないため、GPSと同等の精度で位置を特定する技術を備える。MITと海軍チームの方法では、AUVのナビゲーションは、AUVのアクティブソナーによる氷に対する相対的移動量の測定と、音響インパルスを氷の下に吊した4基の受信機で捕らえ、それぞれの受信機に音が伝わるまでの相対時間を計り位置を計算することで行われる。AUVの発信するメッセージには、それ自体が把握している位置が含まれ、計算で求めた実際の位置を返信することで、AUVは航路を修正する。

今回AUVは試験中に不具合が発生して氷の下で停止してしまったが、音響通信は可能でAUVの推定位置が取得できた。後日、氷に穴をあけてみたところAUVは正確にその位置にあって無事に回収でき、このナビゲーション法の精度の高さが証明された。

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Navigating beneath the Arctic ice

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