- 2021-6-24
- 機械系, 製品ニュース
- CFアルミダイキャスト, CP3エンジン, IMU, MT-09 ABS, MT-09 SP ABS, ヤマハ発動機
ヤマハ発動機は2021年6月22日、フルモデルチェンジしたロードスポーツ「MT-09 ABS」を8月26日、上級仕様の「MT-09 SP ABS」を7月28日に発売すると発表した。MT-09 ABSはエンジン、車体ともに刷新し、大幅に進化させながら従来モデルに比べ約4kg軽量に仕上げている。価格は、MT-09 ABSが110万円、MT-09 SP ABSが126万5000円。各税込み。
MT-09 ABSは、従来からのTorque&Agileのキャラクターを継承、進化させ、ライダーにFeelingをもたらす「The Rodeo Master」をコンセプトに開発。トルクフルな新888cm3CP3エンジン、最低肉厚1.7mmの軽量CFアルミダイキャスト製新フレームなどが特徴となっている。
エンジンは、クロスプレーン・コンセプトに基づき開発した排気量アップの888cm3CP3(クロスプレーン・コンセプトの3気筒)エンジンを搭載。ボア・ストローク:78.0×62.0mm、11.5:1の圧縮比から優れたトルク/出力特性を発揮する。
新設計したピストン、コンロッド、クランクシャフト、カムシャフト、クランクケースなど主要パーツの多くは、軽量に仕上げている。また、燃料供給系も一新し、インジェクターの取り付け位置は従来のシリンダーヘッド直付からスロットルバルブ側に変更。噴射はバルブ傘裏方向とし、優れた燃焼効率を引き出している。こうした燃焼改善と軽量化により、燃費も改善しているという。
新しくなったフレームは、最新のCFアルミダイキャスト技術を活用し、最低肉厚をこれまでの3.5mmから1.7mmとした軽量アルミ製フレームを採用。エンジン搭載角を47.5度から52.3度へと立て気味にしてコンパクト化し、ディメンションを最適化している。
また、直進安定性と操縦性を両立させるため、縦/横/ねじり剛性のバランスを調整。とくに横剛性は従来比で約50%アップし、直進安定性に貢献している。ヘッドパイプの位置は従来比30mm下げ、フロント荷重をかけやすくしており、旋回時の優れたフロント接地感に貢献する。
アルミパネルを溶接したボックス構造のリアアームは、高剛性と軽量化を両立。ピボット締結をリアアームの外側からフレームで支える構造に変更しており、剛性チューニングやシート周辺形状の作り込みとの相乗効果でスリム感を維持しつつ、優れた直進安定性、コーナリング安定性をもたらしている。リアフレームもCFアルミダイキャスト製を採用。フレーム、リアアームとの合算で従来比約2.3kg軽量化している。
アルミホイールは独自のSPINFORGED WHEEL(スピンフォージドホイール)技術による軽量アルミホイールを初めて採用。また、排気音と吸気音の質が乗り味に寄与する重要な要素であることに着目し、サウンドデザインによってトルク感と加速感を演出している。その他、新IMU(Inertial Measurement Unit)を活用した運転操作を支援する各種制御、新ボディデザインを採用している。