人工衛星向け軽量小型の耐放射線プラスチックパッケージ製品を拡充 ルネサス

ルネサスエレクトロニクスは2021年7月15日、新たに4種の耐放射線プラスチックパッケージ製品を発売し、人工衛星の電源管理システム向け製品を拡充したと発表した。新製品は、耐放射線性の特性レベルを確保しながら、小型で軽量、低コストを実現している。

新たに加わったのは、ローサイドドライバ内蔵100V GaN電界効果トランジスタ(FET)「ISL73033SLHM」、デジタルアイソレータ「ISL71610SLHM(100Mbps)」、「ISL71710SLHM(150Mbps)」、ポイントオブロード(POL)降圧レギュレータ「ISL71001SLHM/SEHM」の4製品。このうち、アイソレータISL71710SLHMは2021年9月に、降圧レギュレータISL71001SEHMは2021年第4四半期に発売を予定しており、その他の製品は既に量産を始めている。

ISL73033SLHMは、GaN FETドライバとGaN FETを1つのパッケージに収めてゲート設計の簡素化と効率化を図り、SMD 0.5耐放射線MOSFETと比較して基板面積を20%削減可能にした。

ISL71610SLHM/ISL71710SLHMは、巨大磁気抵抗(GMR)絶縁技術を用い、絶縁性能2.5kVRMSと、既存の宇宙グレードオプトカプラと比べて優れた放射線耐性を実現した。同社の耐放射線CANバストランシーバやRS-422トランシーバ製品群と組み合わせることで、シリアル通信システムにも使用できる。

ISL71001SLHM/SEHMは6A同期整流型POLレギュレータで、小型パッケージながらピーク効率95%という高い電力変換効率を実現した。

また、過酷な宇宙環境で品質を保つことを保証するため、新製品のICには宇宙用品質規格QML-Vと同等レベルの生産テストを行い、全デバイスが放射線ロット保証テスト(RLAT)を受ける。

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