新コンクリート「ジオポリマー」の流動性と耐凍害性を向上――寒冷地でも適用可能な低炭素型を開発 JFEスチールら

JFEスチールは2021年7月26日、東北大学、日本大学と共同で、製造時のCO2排出量を抑制できるアルカリ活性材料「ジオポリマー」の流動性と耐凍害性を高めることに成功したと発表した。

同社によるとジオポリマーは、製造過程で大量のCO2が発生する一般的なポルトランドセメントを使用しない。そのため通常のコンクリートと比較して製造時のCO2を75%以上削減できる、新しいタイプのコンクリートだ。しかし従来、混合時の粘性が高くて固まりやすいために、施工時の流動性を確保することが難しかったり、耐凍害性が極端に低いために、温暖な地域でしか利用できないという課題があった。

今回3者は、セメントの代替のフライアッシュ(石炭灰)と高炉スラグ微粉末の配合量の最適化、高炉スラグ細骨材の活用、特殊な混和剤の使用などによって流動性を保ちながら耐凍害性を向上させた独自のジオポリマーを開発した。

今回開発したジオポリマーは、凍結融解試験にてJISで規定されている300サイクルを超えてもほとんど劣化しない耐凍害性を示し、凍結防止剤の影響を想定した塩水環境下での同試験でも、従来品を上回る凍結融解抵抗性を持つことが確認された。

同社では今後、西松建設および共和コンクリート工業と共同で、実用化に向けたさまざまな試験を行っていく。

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