VUCAの時代とは――在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせた「ハイブリッドワーク」に注目が集まる

AP photo by Steven Senne

これまで、「仕事に行く」という行為は非常にシンプルだった。朝起きて8時か9時までに出勤して、5時か6時、残業の時はそれより遅い時間に退社する、その繰り返しだった。しかし、コロナ禍でリモートワークやオンライン会議など、働き方にも変化が現れた。コロナ対策の規制が緩和されつつあるアメリカにおいて、企業の経営者や労働者は、双方にとって多くの利益をもたらす新しい世界に足を踏み入れつつあると、カリフォルニア大学バークレー校の研究者らは分析している。

「我々は、大きな転換点にいる」と、Homa Bahrami上級講師は指摘する。「社会的もしくは政治的領域だけではない。ビジネスの観点から、いくつかの力が結びついて新しい現実を作っている」と語る。それは大規模な社会実験に参加しているようなものだと、専門家らは考えている。

かつて在宅勤務は、労働者のやる気を削ぎ、生産性を阻害すると考えられていた。ところが実際には「従業員や企業はリモートワークの価値を発見し、これまでの懸念が誤りだったと気付いている」と、Cameron Anderson教授は指摘する。リモートワークはこれからの働き方の選択肢のひとつとなるようだ。企業の中には、在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせた「ハイブリッドワーク」への移行を計画しているところもあり、それはUCバークレーも同様だという。

ただし、ハイブリッドワークは不確実性というパンドラの箱を開く、と指摘する専門家もいる。出社人数が日によってばらつく職場におけるデスクなどオフィス空間の使い方、従業員同士のつながり、在宅勤務とオフィス勤務のベストな組み合わせなど、いくつか課題も考えられる。

コロナ禍において、仕事や旅行、さまざまな活動が停止する中、我々は多くのことを学んできたが、その先はまだ不確かなままだ。ビジネス界では、この状態をVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの言葉の頭文字を取って「VUCA(ブーカ)」と呼んでいる。

VUCAの時代、仕事というものの形が変わり、そして予想外の変化が続いている。チームのリーダーやメンバーが力を合わせ、働き方や職場環境を最適化するには時間がかかり、ある程度のタイムラグは避けられないだろう。新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、変化のるつぼだった。その変化がどういう社会につながるのか、我々が知るのは、数か月、あるいは数年先のことかもしれない。

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Very big changes are coming very fast to the American workplace

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